スパウザ小田原
豪華なバーデ・温泉施設で食べるランチは・・・

 今回は、雇用・能力開発機構(厚生労働省所管の特殊法人)が建設した温泉保養施設「スパウザ小田原」です。

 サラリーマンのみなさんが納めた雇用保険料を財源に建設された豪華リゾートで、1998年(平成10年)にオープンしました。
「スパウザ小田原」のパンフレットから
 いちおう「勤労者のリフレッシュセンター」ということになっていますが、実際には誰でも利用できます♪

 勤労者(民間サラリーマン)の雇用保険といっても、失業対策以外に使われたり、誰でも使える施設の建設に使われていたりしたのですね・・・

 敷地面積は、約26万平方メートル。東京ドーム5個分の広さもあるそうです。 「スパウザ小田原」のパンフレットから
(パンフレットから航空写真)



 東京駅からJR東海道線に乗って約1時間半(途中まで新幹線を使えば約1時間)のスパウザ小田原は、相模湾を見下ろす丘の上に建っています。

 敷地から見る景色は、どこから見ても最高です。
 最寄駅は、JR東海道線・根府川駅。国道135号線沿いで横浜から60kmです。

 小さな無人駅ですが、駅から施設まで無料の専用シャトルバスが運行されています。
 駅から丘に向かって坂を上っていくと、全長55メートルの「オレンジ橋」が出てきます。

 オレンジが輸入自由化になる前、このあたりはすべて「みかん園」だったのだそうです。
 1992年(平成4年)にスタートした「オレンジの輸入自由化」に対応するため、全国的にみかん園地の転換を促進する政策が採られました。

 「スパウザ小田原」の建設もその一環だったようです。全国に似たような施設建設が立て続いたのも、そのせいかな・・・




 そんなことを思いながら「オレンジ橋」を渡ると、そこがスパウザ小田原の入口。(写真上)


 入口からも長い長い坂道が。広い・・・。(右写真。奥には海が見えます)


 建物は、本館、バーデ棟、スポーツ棟に別れています。本館には客室や結婚式場、情報ライブラリーなどがあります。




 ホテルは、シーズンや部屋のタイプによって料金は変わりますが、一泊朝食付きで8,000円から(サービス料込・消費税別)。
 日帰りで利用できる施設も盛りだくさんです。

 温泉スパ・バーデ・プール・エステティック・結婚式場・カラオケ・ボーリング・パターゴルフ・テニス場などがあります。

 水着着用のバーデゾーンには、気泡浴や寝湯・うたせ湯・サウナなど11種類の浴槽があります。 疲労回復や健康増進に役立つようにドイツの温泉療法を参考に造られたものだそうです。
 バーデの利用料は、2,100円(土日祝日は3時間制限)。温泉大浴場は1,000円。バーデ&大浴場の利用は2,500円。宿泊者は無料です。

 ちなみに、2004年の1月まで毎週水曜日は半額だそうです。

 タオルや水着の貸出(有料)もあるので、手ぶらで行っても楽しめます♪




 さぁ、ゴハンにしましょう♪ 

 施設には、いくつかのお食事どころがあるのですが、今回はバーデ・プールに併設のカフェレストラン「アニス」に行ってきました。

 この日は、特別にバーデ・プールの利用とアニスでの食事をセットにした「バーデ・ランチセット」が2,300円提供されていました。


 カフェレストラン「アニス」は、バーデ棟にあるので、バーデ利用中の方も、別フロアで水着のままお食事をとることができます。


 スパウザ小田原のパンフレットによると、「運動・休養・栄養の3つの視点から・・・リフレッシュを楽しんでいただきます」とあるので、お食事には、とくに期待していきました♪


 でも・・・今日は、お休みの日なのだけど・・・

 ホテルのフロントには大勢の人いたのになぁ。
      「カナディアンポークのカツカレー」


 大きなお皿に盛られたお野菜とカツ。お腹が減っていたので、写真撮影もそこそこにさっそくいただきました。
 ところが・・・衣のつき具合はちょうどよかったのだけど、カツは油の部分が多く、食べ終わったら気持ち悪くなってしまいました。

 ルーもインスタントっぽい感じ。イマイチでした。期待していただけに、残念!!
          「あっさりスープで食べるベトナム麺」     

 ベトナム麺は、お米が原料。

 チンゲンサイが、ど〜んと乗っています。スープがほんのり甘く、コクがあって、満足♪

 あっさりしていながらも、すじ肉のだしがよくとれていました。プール利用の前後には、こちらの方がオススメですね。
 このほかにも2種類のランチがありました。(メニューより 写真右)

 これらのランチのお値段の定価は700円。う〜ん。お味を考えると、ちょっと高いかな・・・。

 もっとも、バーデ・ランチセット(期間限定)の場合は、バーデの利用料金に200円を追加するだけでランチをいただくことができるので、あまり贅沢を言ってはいけませんね。

 ごちそうさまでした。




 雇用・能力開発機構は、スパウザ小田原を「勤労者リフレッシュ事業振興財団」に運営委託しています(ここも厚労省の天下り先)。

 表面上の経営は良好で運営黒字が出ている・・・というので驚いたのですが、よくよく調べてみると、やっぱりカラクリがありました。
 実際には、持主である雇用・能力開発機構が、固定資産税だけでなく、緑地の維持管理費なども払っています。さらに、これとは別に財団に年間二億円ほどの業務委託費を払っているそうです。独立採算ではないのですね。

 そんな「隠れた負担」を無視してしまえば、なんとでも言えるわけで・・・そんなわけで、実質的には大幅な赤字!ということになります。



 スパウザ小田原の総工費は、約455億円。その他に小田原市が周辺整備に約20億円を支出しているそうです。減価償却を考えたら、くらくらしてしまいますね・・・。
 ちなみに、雇用・能力開発機構が全国に所有しているこうした施設は2,070ヶ所。その建設費の合計は4,498億円になるそうです。

 有名どころでは、「○○サンプラザ」「いこいの村○○」などがありますが、いま、どの施設も、その行く末に注目が集まっています。厳しい財政難から国の行政改革の一環として、雇用・能力開発機構も「独立行政法人」に移行しているからです。

 当然、不採算施設の整理をすすめる必要があり、主に地元の自治体に売却を進めています。「スパウザ小田原」も、その対象で、小田原市に売却を打診しているとのことです。


 売却予定価格は8億円強とのことでした。
フロント



 私が行った日はお休みの日だったので、フロントもロビーも人がいっぱいでした。でも、これだけ繁盛していても採算がとれないというのは・・・ 

 もし、8億円で売却となれば、建設費の50分の1以下という破格の価格になりますが・・・売却で生じる損失約446億円は、どこに消えたのでしょう?

 それにしても、施設には不思議な美術品が数え切れないほどありました。

おもなMENU一覧

カナディアンポークのカツカレー \700
あっさりスープで食べるベトナム麺 \700
玄米入りお粥とメスクランサラダ \700
サーモンとツナのチャパタ \700
コーヒー \300
ウーロン茶 \300
生ビール \550
※サービス料、消費税別

アクセス
スバウザ小田原
住所 〒250-0024
神奈川県小田原市根府川583-1
電話 0465-29-1000
最寄駅 ・JR東海道線 根府川駅より
専用シャトルバスで約5分
・小田原厚木道路石橋ICから
国道135号経由で約5km
駐車場 326台(無料)


※感想は、あくまで個人的なものです。味や内容を保証するものではありませんので、ご了承ください。
※航空写真・全体写真は、スパウザ小田原のパンフレットから転載させていただきました。


[お役所の食堂]